気配り学習

学生の頃、恋に恋してる自分というのが許せない時期、というものがありました。青春まっただ中ですから、その時分だけに通じる恋愛というものがあるのだと、正直思っていました。ですから、学生を過ぎ、社会人になると、何年かすると愛だの恋だのとは遠ざかるのかもしれないと。なんていうか、気楽に過ごせていた小学生の頃よりも、中学・高校というのは、将来をつきつけられ、ひどくさまよう時期ですから、そんな時に出会った恋などは、盲目オンリーなのだと、偏見すら抱いていたのかもしれません。恋愛するなら、自分が落ち着いた時期が良い。

それはもちろん、社会に出て、軌道に乗ってからということです。そうなれば、自分も落ち着いてるし、相手も仕事を持っているから、周りのことを冷静に判断できるはずだと、そういうひねた考えを持っていました。そんな高校生時代。自転車置き場から、職員室まで直行しようとしていた時に、そのシーンに遭遇しました。折りしも、その日はヴァレンタイン・デー。もちろん、私には関係ございません。遠回りをするのが面倒で、物理室など、普段、誰も近寄らないような教室が密集した校舎を、突き抜けて近道しようとしました。脇の階段を登っていき、何も考えず、廊下につながるドアを開けて中へと進んだら、互いに向き合う男女がいるではないですか。あっ!もちろん声には出しませんでしたが、口は「あ」の形に開いてます。慌てて回れ右をして、必死で上がった階段をまた下へと降りていきました。明らかに、まだカップルではない男女、しかも、告白の場面だったのです。

話してる言葉なんかは聞こえませんでしたけど、新鮮なオーラが辺りに漂っていましたし、向こうは向こうで、2人だけの世界に入り込んで緊張していますから、こっちには目もくれませんでしたが…、ああいう遭遇の仕方は、なんともバツが悪いものです。もしあなたが学生なら、自分が主役でないヴァレンタインの日には、なるべく、人気のない校舎は避けてあげましょう。

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